2012 Fiscal Year Annual Research Report
病院・診療所における産婦の主体的な出産を達成する助産ケアとその特殊性
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22792212
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荻田 珠江 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (40506242)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 助産ケア / 病院・診療所 / 主体的な出産 / 出産の満足 |
Research Abstract |
本研究の目的は、病院・診療所における産婦の主体的な出産に向けた助産ケアを、助産師と出産後の女性の双方の視点から明らかにし、さらに、病院・診療所における助産技術の特殊性を検討することである。 これまで出産後の女性と病院・診療所に勤務する助産師を対象に、インタビューによる質的研究を行ってきた。出産後の女性は【安楽で順調な経過に向けた行動の促し】や【現状と今後の詳細な説明】、【励ましのことば】などが自分の主体的な出産に有用であったことを示した。助産師側は【施設の管理内であっても産婦の産む力を引き出すような工夫をする】、【家族が産婦の後押しできる存在となるように分娩に巻き込む】、【産婦の頑張りややる気を受け止め自己効力感を高めるフィードバックをする】などのケアを実践していた。双方の結果を照合すると、産婦の安楽や快適さを満たす入浴や自由な体位の促し、産婦の不安や苦痛を汲み取った詳細な説明や励ましの言葉などが主体的な出産に有用であることが一致していた。他方、助産師側は、家族も巻き込むケア体制を挙げたが、女性側は、たとえ家族が居ても助産師が側に寄り添ってくれたことや、こまめに訪室してくれたことが有用なケアであったことを示した。産婦の主体的な出産を達成する助産ケアに関する双方の認識には異なる部分があったことから、その相違点と理由を探り、産婦のニーズに合致したケアを明確化することが今後の課題である。 病院・診療所における助産技術の特殊性を検討するため、助産師が考える産婦のケアに影響する施設の制約についてもデータ収集を行った。その結果、【産婦との関係を構築する余地がないケア提供システム】や【個々の自由よりも安全確保のための分娩管理】など8つのカテゴリーが抽出された。今後、これらの施設の制約に起因した助産ケアの特殊性を、施設の特徴別に明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)