2011 Fiscal Year Annual Research Report
医療機関における妊娠期・胎児期からの虐待予防を目的としたスクリーニングの開発
Project/Area Number |
22792216
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉下 佳文 名古屋市立大学, 看護学部, 講師 (00451766)
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Keywords | 妊娠期 / 胎児期 / 虐待予防 / 医療機関 / スクリーニング |
Research Abstract |
全国の医療機関における妊娠期・胎児期からの虐待予防の現状は認識が低く、課題が多く残されていることが研究者の先行研究より明らかとなった。子ども虐待対策は、発生予防が最も重要であるとされながら、実際の現場では、その認識が低く、妊娠期.胎児期からの取り組みが最重要である。また、特に最近では、少子化や核家族化はいうまでもなく、コミュニティーの崩壊や経済不況等で子ども虐待はどこにでも起こりうる状況となった。そのため、一般子育て支援を充実させることが重要であるが、より子ども虐待が発生しやすい養育環境にある家庭を抽出することが虐待予防につながると考えられる。妊娠期・胎児期からの虐待予防を目的としたスクリーニングの導入が子ども虐待への初期介入の第1歩である。医療機関における妊娠期・胎児期からの虐待予防を目的としたスクリーニングの開発を本研究の目的とした。 妊娠期からの子どもへの愛着および母親のメンタルヘルスのスクリーニングを行うために、都内大学病院で質問紙調査を行った。研究期間は平成22年6月~12月で、対象者数は合計で215例であった。虐待のリスクアセスメントや産後うつおよび愛着障害をスクリーニングする質問紙をセットにし、妊娠期(妊娠20週~36週)と産後(産後1か月)に調査した。得られた得点から解析を行い、妊娠期のどの時期が産後1か月の子どもへの愛着や母親のメンタルヘルスをより強く予測するかを検討した。また、産後1か月時の母子の愛着およびメンタルヘルスとの相関が強い項目について、因子分析を行い、医療機関で使用できる子ども虐待を予測できる妊娠期のより簡便な尺度の開発を考察した。
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