2011 Fiscal Year Annual Research Report
小児がん患者の周囲の人との疾患に関するコミュニケーションを支えるための基礎的研究
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22792219
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮城島 恭子 浜松医科大学, 医学部, 講師 (60345832)
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Keywords | 小児がん患者 / 疾患に関するコミュニケーション / 思春期・青年期 / 疾患に対する思い / 社会生活 |
Research Abstract |
思春期・青年期の小児がん患者および経験者が、自分の病気や自己についての理解を深め、再発の不安や晩期合併症の治療・健康管理を抱えながらも、社会生活を充実させること、つまり長期に疾患に向き合っていくことを支援するための示唆を得るために、青年期の小児がん経験者10名を対象に、病気を抱える自己に向き合う過程と、疾患に関する周囲の人とのコミュニケーション等の影響要因に焦点を当てて、半構成的面接調査を実施した。調査内容は、対象者の背景、病気および自己に対する思いと、それらの思いを反映する行動、思いや行動に影響していると思うこと、周囲の人との関係および病気に関するコミュニケーションについてであり、概ね思春期以降、可能な場合はそれ以前から振り返って語ってもらった。 対象者の背景は、平均年齢26.2歳で、男性4名、女性6名、有職者6名、学生3名、無職1名であった。また既婚者が2名いた。疾患は固形腫瘍7名、血液腫瘍3名であり、治療経験は化学療法10名、放射線6名、手術5名であった。発症時期は幼児期1名、小学生4名、中学生4名、高校生1名であった。発症時から病気の説明を受けた人は7名で、ショックを受けたが、家族や医療者に辛さを表出したり、表出しなくても家族・医療者の支えや同じ病院に入院している他の子どもの存在を感じることで辛い治療に耐えたりして、乗り越えていた。周囲の人との関係は、家族関係は全員良好で、10名中9名が社会生活をほぼ順調に送っており社会生活上の人間関係も良好であった。家族以外に病気について何らか伝えた経験のある人は8名おり、その時期は中学生から社会人までにわたっていた。病気を抱える自己について肯定的に捉えている人は9名と大半であったが、病気経験を肯定的に捉えている人、病気を抱える自己への向き合い方に悩んだ経験のある人はそれぞれ2名であった。まだ対象者数が少なく分析途中であるが、小児がん経験者の長期的経過における内的体験が明らかになりつつあり、影響要因として周囲の人との疾患に関するコミュニケーションに着目しているのも本研究の特徴である。今後、データ収集・分析を追加していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
22年度開始当初の計画では質問紙調査を最初に、その後面接調査を行う予定であったが、調査内容等を再検討した後、順番を変更した。また、面接調査では複数施設に対象者の紹介を依頼したが、断られるところが多く、1施設しか協力が得られていないため、対象者数を予定通りに確保できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
既に得られたデータの分析をさらに進めて、調査期間を延長して対象者数を増やし、分析を追加した後、学会発表、論文投稿を行う。対象者数が増えない場合は、得られたデータのみで発表することも検討する。 データを分析した後、さらに焦点を絞り込んだ発展的調査(質問紙調査もしくは2回めの面接調査)や対象範囲を広げての調査、援助が必要な時期・内容の抽出および援助方法の検討を行っていく。
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