2014 Fiscal Year Annual Research Report
小児がん患者の周囲の人との疾患に関するコミュニケーションを支えるための基礎的研究
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22792219
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮城島 恭子 浜松医科大学, 医学部, 講師 (60345832)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 成人した小児がん経験者 / 病気をもつ自分に向き合うプロセス / ふつうの生活の構築 / 周囲の人との関係 / 周囲の人への病気説明 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児がん経験者が長期に病気に向き合いながら社会生活する支援への示唆を得るために、20~30歳代の小児がん経験者を対象に半構成的面接を実施し、周囲の人との関係の中で『病気をもつ自分に向き合うプロセス』を、M-GTAを用いた質的分析にて明らかにした。対象者は13名で平均年齢25.4歳、男性6名、女性7名、疾患は固形腫瘍9名、血液・リンパ系腫瘍4名で、発症年齢は平均11.3歳であった。分析の結果、34概念、10カテゴリー、1コアカテゴリーが生成された。小児がん経験者は、小児がん発症や再発、晩期合併症出現の折に《身体の異変》と《生活の脅かし》を経験し、《納得いかない》と苦悩していたが、親、闘病仲間、医療者、友人など《共にある存在》に支えられ、〈自分だけじゃない〉から〈しようがない〉と《諦め》たり、《生活への希望》を見出したりして耐えていた。心身状態の安定に伴い【ふつうの生活の構築と維持】に向かうが、《身体の異変》の影響を踏まえ《社会生活を取り戻す》ことや、《ライフイベントを取り込む》ことに努力を要し、《病気説明を見極め対人距離調整》を図っていた。【ふつうの生活の構築と維持】に伴い、《自信獲得》に至っていた。小児がんに伴う急激な身体的・生活変化や長期的な身体的影響を踏まえ、病気をもたない人との距離感を調節する対人関係や、発達過程に伴うライフイベントも含めて生活構築・調整できるような支援が必要である。 また、『周囲の人への病気説明の見極めに関する経験』について内容分析を用いてさらに詳細に明らかにした。その結果、病気説明に関する考え方として【わかってほしい】【深い関係でない人には説明不要】など10カテゴリーが生成され、説明した相手は小学校高学年から成人した現在まで変化がみられた。説明後の相手の反応や影響として【わかってもらえた安堵感】【無理解への悲しみと怒り】などがみられた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)