2012 Fiscal Year Annual Research Report
低出生体重児と母親の関係性発達支援プログラムの開発
Project/Area Number |
22792231
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末次 美子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70437789)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ボンディング / 低出生体重児 / 外傷後ストレス障害 / 出産体験 |
Research Abstract |
本研究課題について本年度は、出産から早期乳児期の期間での、母親の子どもに対する情緒的応答に着目し、低出生体重児とその母親の関係性支援するためのプログラムを提案することに取り組んだ。 日本語版PBQ (Japanese version of Postpartum Bonding Questionnaire; PBQ-J)は英国で開発された尺度であり、より日本の文化に即した評価ツールへの修正のためサンプル数を増やし得られた結果の因子分析を行い、4因子14項目から成る日本版PBQ-J(14 item version of PBQ-J)を開発し信頼性妥当性の検証を行った。 日本語版PBQ-Jと日本版PBQ-Jを用いて、低出生体重児の母親の出産体験に対する外傷後ストレス症状の程度とそれに関連する因子、外傷後ストレス症状が母親のボンディングへどのように影響を与えているかについて、正期産の母親をコントロール群として比較検証を行った。 正期産の母親に比べ、低出生体重児の母親の出産体験に対する外傷後ストレス症状の程度は有意に高かった。また外傷後ストレス症状に影響する因子として、出産に対する主観的認知、アタッチメントパターン、特性不安、家族機能が認められた。また母親の乳児に対するボンディングに影響を及ぼす因子として、外傷後ストレス症状、抑うつが認められた。 本研究より、低出生体重の母親の乳児に対するボンディングの発達を支援するためには、女性のライフステージにおける出産体験の認知を知り、出産の体験による外傷後ストレス症状とそれに伴う抑うつ症状を観察し、出産直後から精神的サポートを行うことの重要性が示唆された。また外傷後ストレス症状には、アタッチメントパターンや特性不安、家族機能が影響することから、妊娠中から女性の出産への精神的レジリエンスを評価することが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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