2011 Fiscal Year Annual Research Report
小学生への「赤ちゃん登校日授業」の実態とその有効性に関する研究
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22792234
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
伊達岡 五月 (和田 五月) 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (90509572)
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Keywords | 思春期教育 / 共感性 / 自尊感情 / 親準備教育 / 体験学習サイクル / 赤ちゃん登校日授業 / 人格形成 |
Research Abstract |
1.「赤ちゃん登校日授業」が児童の親性に及ぼす効果 児童の親性(親になるための資質)を「乳児への好意感情」「自尊感情」「共感性」とした。今年度は授業前後(事前学習前・各赤ちゃん親子との関わり体験後)にアンケート調査を実施し、研究対象を小学生に統一した。介入群は「赤ちゃん登校日授業」実施校のうち調査協力が得られた5小学校の188人、介入群は「コミュニケーション授業(「赤ちゃん登校日授業」創始者である高塚氏が考案したビデオと講義による授業。ねらいが前者と同様)」実施校のうち、協力が得られた1小学校の19人である。介入群・対照群の全員より回答があり、有効回答数は介入群82人(有効回答率43.6%)、対照群12人(有効回答率63.1%)であった。その結果、乳児への好意感情が好転することが明らかになったが、自尊感情と共感性(情緒としての共感・行動面からみた共感)を高めるまでには至らなかった。今後は「ふり返り授業」や「赤ちゃん親子との関わり方法」等を工夫することによって、自尊感情や共感性を高めるための授業を展開していくことが必要と示唆された。 2.赤ちゃん親子との関わり体験後の「ふり返り授業」での学び及びその効果 赤ちゃん登校日授業は「体験を通して学ぶ」ことが大きなポイントであり、それには自分の体験を吟味し、理解することが重要である。そこでふり返り授業の際に児童が記載したワークシートの記述内容を体験学習サイクルの視点で質的に分析した。体験学習サイクルは「自分の体験を再認識する」→「自分の体験を見直す(気づきや吟味、学びに繋がる)」→「学んだことを応用する」という流れ、或いは「他者の体験を認識する(どんなことが起きたのかを詳しく知る)」→「他者の体験を自分に引き寄せて考える(関連付ける)」→「学んだことを応用する」という流れであり、自分や他者の経験を通して学びを深める循環的なプロセスである。
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