2011 Fiscal Year Annual Research Report
慢性状態にある思春期の子どもと親が辿る軌跡のあり様を説明できるモデルの構築
Project/Area Number |
22792240
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
高谷 恭子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (40508587)
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Keywords | 看護学 / 思春期 / 親子 / 慢性状態 / 軌跡モデル |
Research Abstract |
本研究は、慢性状態にある思春期の子どもと親が相互作用を通して、どのように病みの軌跡を辿っているのかという、彼らの軌跡のあり様を説明できるモデルの構築を目的としている。本研究は、研究者の博士論文の研究結果を発展させるものであり、1型糖尿病と先天性心疾患、さらに腎臓病も対象疾患とし、発症時期をも拡大した理論的サンプリングにより面接調査を実施する。昨年度に引き続き、小児を取り巻く医学系学会への参加や患者・家族会が主催するセミナーに積極的に参加した。また、既存の文献や手記を分析する中で、思春期の子どもや思春期に向かっていく子どもと親は、治療や療養法に取り組みながら慢性状態を辿ることへの不安や悩みを抱え、かつ、思春期という時期の子どもと親の関係が複雑化するがゆえに独自に対峙していこうとする姿が共通してあることが明らかになっている。慢性腎不全の子どもと家族の特徴として、腎移植は他の治療法よりもQOLをより高めるものとして多くの期待を持つが、移植後のライフスタイルの変化という問題に直面することが明らかになった。これらの明らかになった視点を踏まえ、インタビューガイドを洗練化するとともに、分析の視点として新たな示唆を得ている。面接の本調査を実施するため、研究者が所属する機関の研究倫理審査委員会の審査を受け、承認を得た文書を用い、病院施設の研究倫理審査委員会の審査を受けた。その後、それぞれの病院施設において、研究協力依頼のお願いに伺っている最中である。研究協力者が思春期の子どもであるため、学校生活がある中での面接調査は難しい。夏季休暇中を希望するケースが殆どである。よって、面接調査は両親、または父親あるいは母親の都合のよい日を調整して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年3月の東日本大震災に伴い、病院施設への研究依頼の時期が遅れたこと、研究協力者への研究依頼についても当初に比べて遅れている状況である。また、思春期の子どもたちに面接を実施する時期についても、夏季休暇を希望するケースが多いため、面接調査が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究協力のお願いができるように、病院施設への依頼を1施設増やしていくことで、1ケースでも研究協力者となって下さる方に出会えるようにする。対象疾患としては腎臓病を中心にお願いをする。 2.「慢性状態にある思春期の子どもと親が辿る軌跡モデル(仮名)」を構築した後、小児看護の大学教員1名、小児看護専門看護師または家族支援専門看護師のどちらか1名にモデル案についてのインタビュー調査を実施し、「慢性状態にある思春期の子どもと親が辿る軌跡モデル」を構築する。
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