2010 Fiscal Year Annual Research Report
入院する小児の転倒転落リスクアセスメントツールの作成とその効果に関する研究
Project/Area Number |
22792245
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
藤田 優一 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (20511075)
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Keywords | 小児看護 / 転倒・転落 / リスクマネージメント |
Research Abstract |
小児用の転倒転落リスクアセスメントツールの作成を目的として研究を行った。小児看護経験5年以上の看護師14名を対象に転倒・転落の危険因子について半構成面接を行い、転倒50項目と転落43項目の危険因子が明らかとなった。さらに、項目数を絞り各危険因子の重みづけを行うため、同意を得た小児看護経験5年以上の看護師65名を対象に2回のデルファイ法による調査を行った。その結果、転倒34項目と転落34項目が危険因子であるとコンセンサスが得られた。これらの危険因子をもとに、小児用転倒・転落リスクアセスメントツールC-FRATを作成した。 また、効果的な小児の転倒・転落防止対策を明らかにするため、全国の総合病院を対象に横断調査を行い253施設(回収率42.0%)より回答を得た。その結果、防止対策として(1)医療者間でハイリスク者の情報共有をして注意深く見守る(2)転倒・転落リスクをアセスメントする(3)家族にパンフレットを用いてベッド柵取り扱いについて説明をする(4)家族に転倒・転落防止の説明を時期を決めて2回以上行う(5)新卒看護師が対象の転倒・転落事故防止に関する研修、を実施している施設で転倒・転落率が低いことが明らかとなった。 これらの調査結果をもとに、小児の転倒・転落防止プログラムを作成した。プログラムは(1)C-FRATを用いた転倒・転落リスクのアセスメント(2)転倒・転落ハイリスク者への集約的な防止対策(3)パンフレット、DVDを用いた家族への転倒・転落防止オリエンテーション、の3つより構成されている。 今後は倫理審査委員会の承認を得られた後より、プログラムの実施調査を開始する予定である。
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