2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792248
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
光永 憲香 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30431597)
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Keywords | 精神看護 / 統合失調症 / 早期支援 / 心理・社会的介入 / プログラムの開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、統合失調症を始めとする精神疾患の早期段階から、患者のセルフケア能力の向上を図り、再発予防、社会復帰促進に期待できるような心理・社会的介入プログラムを開発することである。このプログラムは、生活状況を把握している臨床現場の看護師が実施できるものを開発したいと考えている。対象は初めて精神病症状を発症して5年以内で、A病院に通院もしくは入院されている方である。対象年齢は14歳から35歳までとしている。現在まで、同意の得られた6名の方(終了4名、継続2名)にプログラムを実施した。プログラムの内容は、家族面・社会面・心理面について包括的にアセスメントができるよう包括的アセスメントシートを用いて行い、個々にあったケアプランを対象者と一緒に考え、目標を決めた。必要に合わせて、疾患についての心理教育や再発予防・社会資源についての情報提供等を早期支援チームで独自に作成したパンフレット・再発ドリルを用いて行い、家族支援も実施した。プログラムの前提としてCBT(認知行動療法)的考え方やアプローチをプログラムにと入れている。プログラムの有用性を評価するために、実施前後で、独自に作成したアンケート、満足度調査、自尊心尺度等を実施し、評価した。対象者の評価は、概ね満足度も高く、デイケア等社会資源の活用につながるケースも多かった。また初診時・半年後・一年後では、精神症状尺度・QOL尺度等を取らせて頂いている。来年度も引き続き、20名を目標に対象者にプログラムを実施していき、その成果をさらに詳しく評価し、より活用しやすいプログラムの開発につなげていきたい。
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