2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域専門機関とインフォーマル組織との組織間ネットワーク力尺度の開発
Project/Area Number |
22792254
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
村山 洋史 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00565137)
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Keywords | 組織間ネットワーク / 尺度開発 / 地域専門機関 / 地域インフォーマル組織 / 地域包括支援センター / 地域づくり |
Research Abstract |
地域包括支援センターをはじめとする専門機関と、民生委員、町会・自治会等のインフォーマル組織との協働は、地域住民のヘルスプロモーションやCommunity Buildingを実践していく上で重要となってくる。しかしながら、その評価方法論は未確立であり、喫緊の課題である。本研究は、地域の専門機関とインフォーマル組織との組織間ネットワーク力を測定する尺度を開発することを目的とし、組織間ネットワークの評価方法論の確立を目指すものである。平成22年度には、組織間ネットワークに関する概念の明確化を行い、明確化した概念を基に、地域の専門機関とインフォーマル組織との組織間ネットワーク力を測定する尺度開発のためのアイテムプールを作成した。平成23年度は、アイテムプール項目を選定すること、ならびに地域包括支援センター職員に使用してもらうことで、尺度の信頼性および妥当性を検討することを目的とした。 項目は、「民生委員」、「町会・自治会」、「ミニデイ・サロン」、「高齢者クラブ(老人クラブ)」の4つの地域インフォーマル組織と地域専門機関とのネットワークを設定し、前年度明らかになった組織間ネットワーク構築の3つの段階(「顔見知りになり、お互いの存在を認識し合う段階」、「お互いの役割について理解する段階」、「お互いに役目を持ち、協働する段階」)を想定し分類した。項目の選定は、地域包括支援センター職員や行政保健師の協力を得た。選定された項目は、2回にわたり、地域包括支援センターに配布され、項目に対する意見を得た。これらの過程を経た結果、各インフォーマル組織について各段階に、それぞれ17~23項目が含まれた尺度が完成した。 更なる妥当性の検討は必要であるが、これまで実践現場で使用可能なツールは存在しなかったことを鑑みると本研究で行った尺度開発は実践的意義が高く、同時に評価方法論の構築の一助となり得ることから、学術的意義も高いと考えられる。
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