2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792257
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 准教授 (40334445)
|
Keywords | 世代間交流 / デイサービス / 高齢者 / 評価 |
Research Abstract |
本研究では、世代間交流の有効性を、実践からの感覚的な評価だけではなく、数値データとして示せるように、尺度等を用いて世代間交流実施前後での高齢者および子ども達の健康状態および気持ちの変化を比較することを目的としている。本年度は、まず世代間交流プログラムの有効性について国内外の文献から知見を整理した。海外文献はMEDLINE,CINAHL、国内文献は医学中央雑誌、CiNiiをデーターベースとして過去10年間(2001年~2010年)の文献検討を行った。世代間交流の評価は質的方法と量的調査を組み合わせているものが多く、高齢者の評価内容は主観的な健康評価や握力、歩行能力、社会的サポート等、子どもの評価内容はイメージや態度、絵の分析、幼児の保護者の意識調査等であった。また、世代間交流の実施状況について、東京都23区の通所介護施設全体の1331件のうち、事業報告等にて小学校との世代間交流を実施していると記載があった114施設に電話調査を行った。その結果、66か所の施設が実際に1年以内に小学生との交流が実施されており、交流頻度は年1回が29か所(43.9%)で最も多く、年2回が26か所(39.4%)、年4回が8か所(12.1%)、月1回が3か所(4.5%)であった。交流内容(複数回答)としては、「踊りや歌などの発表」が40か所(60.6%)、「折り紙やゲームなどの遊び」が26か所(39.4%)などであり、子どもが主体となったプログラムを実施しているところが59か所(89.4%)とほとんどを占めていた。デイサービス利用者には認知症の方も多く、世代間交流の評価方法については工夫が必要である。また、年1回程度のイベント的な交流になってしまっていることも課題である。次年度以降、プログラム内容を考案することも考慮しながら、実際に世代間交流を行っている施設において調査を進めていく予定である。
|