2010 Fiscal Year Annual Research Report
転倒経験のある高齢者の特性と教育介入による転倒予防効果
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22792268
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
小野 順子 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (20432742)
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Keywords | 高齢者 / 転倒 / 介入効果 |
Research Abstract |
地域で生活する在宅高齢者の中で過去1年以内に転倒経験のある高齢者(以下、転倒者)の身体的特性、心理的特性を明らかにするためのベースライン調査項目を確定し、効果的介入方法を検討するために国内外の関連文献考証を行い、以下の内容が明らかになった。 <ベースライン調査項目の検討> 在宅高齢者の転倒リスクについて、先行研究から得られた知見に基づき転倒リスクとなるアセスメント項目を抽出した。その結果、(1)行動的リスク(2)生物学的リスク(3)社会経済的リスク(4)環境リスクに大きく4つに分類された。転倒リスクが複合的に重なり合うことで更に転倒リスクが高まることも明らかになっているが、我が国の高齢者においてこれらの要因がどのようにまたいくつ重なり合うことで転倒を予測できるかは不明である。転倒者と非転倒者でリスクの分布や重複に違いがあるか検討していく必要がある。 <効果的介入方法の検討> 高齢者に対する転倒予防に関して単独の介入方法として最も有効な方法は運動プログラムの実施であった。10週以上の継続的な運動プログラム、保健医療の専門家による個人特性に合わせた運動プログラムの処方と指導、筋力強化とバランス能力改善トレーニングなどの有効性が明らかになっている。また、認知機能に障害のない地域で生活する高齢者においては、健康状態や環境リスクをアセスメントしリスクに対応した介入によって転倒を軽減させる効果があることが報告されている。 いずれの介入においても高齢者自身が転倒リスクを認識し、行動や環境などの可変リスクを改善させること、またそれらの行動を継続し環境改善を維持できる方法を取り入れることが重要である。
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