2010 Fiscal Year Annual Research Report
施設高齢者の排尿コントロール感を高めるための排尿援助に関する研究
Project/Area Number |
22792270
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
形上 五月 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40549317)
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Keywords | 尿意 / コントロール感 / 施設高齢者 / 排泄援助 |
Research Abstract |
研究目的(1)施設高齢者の尿意の表出に関連する要因を調査し、尿意の表出が困難となる高齢者の特性を明らかにすること、(2)施設での排尿援助において、尿意の表出を促進する援助者との相互作用の特徴を明らかにするために、平成22年度は、研究計画の見直しや研究フィールドの選定を行った。 研究フィールドの選定のために、申請者が世話人を務める、えひめ排泄ケア研究会の定期的に開催されている定例の勉強会や今年度からの取り組みである地区別の事例検討会に参加し、まずは、参加している施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、病院など)の排泄ケアの現状を把握したり、施設での高齢者ケアの文化や風土などの特徴を理解したりすることでフィールドに入るための環境調整を行った。 また、研究を開始する前段階として、様々な事例の中から、尿意の表出が困難になる高齢者の特徴を明らかにするための調査項目の検討を行った。事例検討会に参加した施設のスタッフが排泄に関して問題に感じている事例は、14事例中8例と頻尿が多く、尿意がないことを問題にしている事例は2事例と少なかった。高齢者自身が尿意を訴えられない高齢者に対しては問題として捉えられていない現状があることが推察された。事例を検討した結果、尿意を確認しない援助者の認識を知る必要性、さらには、尿意を問われると答えることができる高齢者の能力は行動観察だけでは明らかにすることは容易ではないことが予測された。そのため、来年度の研究では、高齢者自身の排泄ケアに対する思い、援助者の高齢者に対する排泄ケアの思いや判断の根拠など、高齢者・援助者双方の思いを聴取することと尿意を問いかけた場合の高齢者の変化もデータとして収集することとした。 事例報告の内容から来年度の研究のための重要な示唆を得ることができた。
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