2011 Fiscal Year Annual Research Report
施設高齢者の排尿コントロール感を高めるための排尿援助に関する研究
Project/Area Number |
22792270
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
形上 五月 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40549317)
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Keywords | 尿意 / コントロール感 / 施設高齢者 / 排尿援助 |
Research Abstract |
平成23年度は尿意の表出を促進するための施設高齢者と援助者の相互作用の特徴を明らかにし、高齢者の排尿コントロール感を高める排尿援助方法を考案するための示唆を得ることを目的とし調査した。 方法:本研究の参加に同意が得られた、介護老人福祉施設入所中の排尿誘導が実施されている認知症高齢者および同施設の職員で対象者の排尿援助にかかわる介護職を対象とした。排尿誘導時の高齢者の反応、排尿誘導の実施状況、高齢者の排尿状態(1回排尿量および失禁量、排尿時刻)、排尿誘導時の援助者の判断、高齢者・援助者の特性について調査した。調査結果から、排尿誘導場面での高齢者の反応の特性について類似性を考慮し分類した。また、対象者ごとに高齢者の反応の特性、誘導の実施状況、排尿状態を集計し分析した。結果:対象となった高齢者は8名、平均年齢は88.8歳、NMスケールは平均8.3点であった。援助者は17名で、介護福祉士の有資格者は8名であった。対象者8名に実施されていた誘導方法は、観察された60場面のうち、随時誘導が7場面(11.7%)、定時誘導が53場面(88.3%)で、援助者の判断は、決められた時間だから誘導するなど、18場面(30.0%)で援助者の時間に捉われた認識が影響していた。排尿誘導時の高齢者の反応の特性は、1)「同意する」、2)「不同意」、3)「排尿に関する反応が不明瞭」の3パターンに分類され、「排尿に関する反応が不明瞭」(53.3%)が最も多く、尿意の有無を訴えることもあったが反応に関わらず定時誘導が実施されていた。対象者の失禁率は70.6±18.9%、トイレで排尿できた割合は38.5±26.1%であった。考察:認知症高齢者の排尿誘導は、尿意の確認が困難で反応に関わらず定時誘導が実施されていたことからも、高齢者の排尿のコントロール感を高めるためには、尿意を尊重した排尿誘導方法を検討していくことが必要である。
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Research Products
(1 results)