2012 Fiscal Year Annual Research Report
精神科病棟における看護師への暴力防止のための患者教育プログラムの開発
Project/Area Number |
22792283
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
安永 薫梨 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (80382430)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 暴力防止 / 精神科看護 / 患者教育プログラム / 看護師 |
Research Abstract |
「患者から看護師への暴力」の概念について、論文や書物を対象にロジャースの概念分析アプローチを用いて分析した。その結果、患者から看護師への「暴力」の定義は、研究者により様々であった。患者から看護師への「暴力」の属性として、「怒り」、「言語化できない思い」、「コーピング」、「自己防衛」、「自己主張」、「暴言や攻撃」といった6つのカテゴリーが抽出された。抽出された6つのカテゴリーを統合して、「患者から看護師への暴力」とは、「怒り」や「言語化できない思い」から「自己防衛」したり、「コーピング」するために、「暴言や攻撃」という行動で「自己主張」することと定義されると考えた。 先行要因については、「生命の基盤としての要因」、「社会的な要因」、「患者に関する要因」、「看護師に関する要因」、「環境要因」の5つのカテゴリーが抽出された。 帰結としては、「患者から看護師への暴力」が「看護師にもたらすもの」は、心の傷、無力感、身体の傷、回避行動、看護師としての使命感から患者に関わる、暴力を受けたことを上司や同僚と共有することの困難、「患者にもたらすもの」は、自尊心の強化、看護師の注意を引く、後悔、怒りがおさまらない、何も感じないが抽出された。 患者から看護師への暴力の概念の経験的モデルケースとして、20代後半、男性、心的外傷後ストレス障害の患者が振るった理不尽な暴力が示された。 以上より、「患者から看護師への暴力」という概念は、暴力防止に向けて「患者から看護師への暴力」を解明していく研究に有用であるばかりでなく、患者教育プログラムの開発にも活用すべき概念であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「患者から看護師への暴力」に関する概念分析をしたり、倫理審査の申請準備をすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は「患者から看護師への暴力」の概念について立ち返りつつ、また、今までの結果をもとに患者と看護師が協力して暴力防止に向けた患者教育プログラムを開発していきたい。
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