2010 Fiscal Year Annual Research Report
BPSDの顕著な認知症高齢者に対する精神科看護師の行動特性の有効性
Project/Area Number |
22792284
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
江上 史子 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (80336841)
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Keywords | 看護学 / 痴呆 |
Research Abstract |
本研究の目的は、認知症高齢者に対し、精神科看護師がどのように関わり、認知症高齢者の反応をとらえているのか、その行動特性と有効性を明らかにし、精神科看護師の看護の実感を引き出せるようなグループ討議のあり方を模索することである。平成22年度はBPSDの顕著な認知症高齢者の看護に携わる精神科看護師の行動特性を明らかにするため、データの蓄積と分析を行った。データ収集は参加観察(2日間)と半構成的面接(2回)を併用して行った。参加観察した内容を記述したフィールドノートとインタビューの逐語録をデータとし、質的・帰納的方法を用いて分析した。 研究協力者は、精神科領域での看護に3年以上携わっており、自らの看護について語ることができると看護管理者から推薦を得た2施設の看護師5名で、平均年齢は37歳、看護師としての経験年数は8年から28年であった。 精神科看護師の行動特性として、対象(認知症高齢患者もしくは高齢の精神疾患患者)の「認知症症状(精神疾患症状)を理解する」、「身体に現れているものを理解する」、「体験世界を理解しようとする」、「思いをくみ取り、言動を解釈する」、「誠実な姿勢で関わる」、「反応を待つ」、「疎通性を実感し、看護の喜びを感じる」のカテゴリーが生成された。精神科病棟に勤務する精神科看護師の特徴としては「社会とのつながりを意識して関わる」行動が見られた。現在、精神科領域で行われる認知症のケアについての十分な蓄積はないため、今回明らかにできたことは意義のあることと考える。今後はそれらの行動特性に対する対象の反応も含めて研究協力者にフィードバックし、精神科看護師の看護の実感を引き出せるようなグループ討議のあり方を模索する予定である。 なお、本研究は福岡県立大学研究倫理委員会の承認を得た上で、研究協力施設および研究協力者、参加観察の場にいる入院患者に対し、倫理的配慮を行った上で実施した。
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