2012 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者用転倒危険予測尺度を活用したスタッフ教育プログラムの開発
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22792287
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
杉山 智子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90459032)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 看護学 / 転倒予防 / 認知症 / 入院高齢者 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、認知症高齢者の転倒予防に関する看護職や介護職の知識・技術や認識に関する実態の把握とともに、効果的かつ使用可能性のある認知症高齢者への転倒予防策を検討することとした。対象は高齢者が多く入院する病院3施設において、特に認知症をもつ高齢者のケアに従事するスタッフ(看護職・介護職)169名とし、質問紙調査を行った。回答者数は141名であった。対象者の属性は平均年齢37.6±10.5歳で、平均臨床経験年数は10.4年であった。職種は看護職88名(62.4%)、介護職48名(34.0%)であった。教育を受けた経験の有無において、高齢者や認知症については7~8割が受けていたが、医療安全については約5割であった。転倒予防を行うために意識して行っているケアは、「見守りを行う」、「認知症の有無・症状の把握」、「同職種間の連携」で多く回答していた。また、転倒予防で困難に感じていることについては「認知症のBPSDに関する知識・対応」、「せん妄・うつの知識」、「認知症の疾患別特徴」で多く回答しており、今後学びを深めたいことについても同様の項目であった。認知症をもつ高齢者特有の転倒を予防するための方法において必要度の割合が高かった項目は「患者の全体的な把握」、「認知症の疾患の知識」、「認知症以外の身体疾患の把握」であった。一方、必要度の割合が低かった項目は認知症に特化したマニュアルや事故報告書、アセスメントツールであった。今後は、高齢者や認知症についての知識の提供だけではなく、その知識や技術の活用方法やプログラムの運用方法に留意したスタッフ教育プログラムを作成し、介入ならびに検証を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スタッフ教育プログラムの介入に際し、研究協力施設の選定に時間を要したこととその研究協力施設と介入時期の検討をした結果、今年度の実施が困難な状況になった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、これまでの研究結果から作成したスタッフ教育プログラムの具体的内容を研究協力施設へ提示した上で修正を行い、検討を行う。研究協力施設については2施設から内諾が取れたため、学内の研究等倫理委員会で承認を受けた後、当初の計画通りに3ヶ月間でスタッフ教育プログラムの介入を行い、評価していく予定である。なお、研究協力施設の状況で介入が困難になった場合は、介入期間の短縮や作成したスタッフ教育プログラムについてのヒアリング調査を行うことで対応する。
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