2010 Fiscal Year Annual Research Report
進行性難病者の独居生活を可能にする在宅生活移行支援プログラムの構築
Project/Area Number |
22792291
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
松井 陽子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (30411044)
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Keywords | 在宅療養支援 |
Research Abstract |
本研究の第一の目的は、医療依存度の高い重度障害を有するALS療養者が、地域で暮らしていくために必要な支援内容を具体的に明らかにすることである。第二に、療養生活の実態と支援内容についての構造の解明を行い、独居生活を可能にする在宅生活移行プログラムの構築を目指すことである。 初年度は、ALS療養者を取り巻く制度や地域支援の実情について調査した。人工呼吸器を装着しながら生活している療養者は、在宅では敵機的に訪問看護サービスを受けることができるが、その管理は全面的に家族看護に託されているのが実情である。また、ALS療養者の介護負担は他の難病疾患と比較して格段に大きいが、入院中に在宅生活移行への支援を担当しているのはケアマネージャーや医療ソーシャルワーカーであり、主として家族同居の療養者を対象としているため限界が生じている。 人工呼吸器を装着しながら療養生活を送る進行性難病患者の家族への聞き取りからは、人工呼吸器装着の自己決定に関する支援、家族介護者への技術的・精神的支援、訪問看護師による日常生活管理および医療処置支援についてのニーズが抽出された。これらは主として病棟看護師への支援ニーズ、在宅におけるケアを担う訪問看護師への支援ニーズとして抽出され、行政保健師への支援ニーズについて明らかにする必要性について示唆された。 次年度に向けて近畿圏におけるALS療養者の療養生活の実態調査、地域生活移行にかかる支援状況についての調査を行い現状と課題について検討していくための予備調査を計画した。
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