2011 Fiscal Year Annual Research Report
介護老人保健施設入所高齢者の口腔状況改善に向けた看護に関する研究
Project/Area Number |
22792293
|
Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
森崎 直子 関西福祉大学, 看護学部, 講師 (30438311)
|
Keywords | 介護老人保健施設 / 要介護高齢者 / 口腔内日和見感染微生物 / 摂食・嚥下機能 / 口腔関連QOL |
Research Abstract |
介護老人保健施設入所要介護高齢者に対し、一般的状況および口腔状況(口腔内日和見感染微生物、摂食・嚥下機能、口腔関連QOL)等の調査を行った。 口腔内に何らかの日和見感染微生物を保有している高齢者の割合は46.0%であった。検出された微生物の種類では、カンジダが最も多く30.0%、次いで緑膿菌8.7%、肺炎桿菌4.7%であった。これら3種の微生物は、検出微生物の83.3%を占めていた。摂食・嚥下機能の評価には、DRACE(Miura2007)を用いた。摂食・嚥下機能低下が疑われる者の割合は28.7%であった。口腔関連QOLの評価には、GOHAI(内藤2004)を用いた。対象のGOHAI平均値は56.55±5.13であった。これら.の調査結果から、対象の口腔内日和見感染微生物の保有割合は高く、摂食・嚥下機能低下リスク者も多いことから、施設高齢者の死因1位ともいわれている誤嚥性肺炎への対策が必要不可欠であると考える。また、口腔関連QOLに関しては、国民基準値と比べ高い値であり、比較的QOLは保たれていることが考えられる。 口腔状況に関連する要因を分析した。口腔内微生物保有の有無は、残存歯と補綴状況(P<0.05)に関連していた。摂食・嚥下機能は、在所期間(P<0.05)、ADL(P<0.01)、口腔関連QOL(P<0.01)、口腔ケア実施にあたっての面倒さ意識(P<0.05)、下剤内服の有無(P<0.05)に関連していた。口腔関連QOLは摂食・嚥下機能(P<0.01)に関連していた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介護老人保健施設入所要介護高齢者に対し、口腔状況、(口腔内日和見感染微生物、摂食・嚥下機能、口腔関連QOL)等の調査を行った。また、施設に対し、口腔ケア体制の調査を行った。これらの調査データから、高齢者の口腔状況と施設の口腔ケア体制の実態が把握でき、現在、関連要因分析を進めている状況にある。よって、最終年度には申請時の研究目的の達成ができるものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査データの詳細な分析と、調査の追加を行い、介護老人保健施設でなされるべき対策を看護の視点をメインに検討する。
|
Research Products
(6 results)