2010 Fiscal Year Annual Research Report
メンタルヘルスに関する産業保健師の活動指標尺度の作成
Project/Area Number |
22792302
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
原 善子 産業医科大学, 産業保健学部, 訪問研究員 (00412669)
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Keywords | 産業保健師 / メンタルヘルス / 活動指標尺度 / コンピテンシー |
Research Abstract |
本研究は、うつ病を罹患した従業員への産業保健師の対応に焦点を当て、「メンタルヘルスに関する産業保健師の活動指標尺度」を作成することを目的としている。本研究は2年計画で実施する。 初年度である平成22年度は、メンタルヘルス対策に関する産業保健師の支援活動項目を抽出した。企業に勤務する産業保健師で、産業保健師としての勤務経験が11年以上の者、8名にインタビューを行った。対象者の平均年齢は40.66±4.16歳、産業保健師としての平均勤務年数17.00±5.29年であった。インタビューデータは帰納的アプローチによる質的記述研究法によって分析を行い、保健師の活動内容を抽出した。結果、6項目の大カテゴリー「情報収集能力」、「情報分析能力」、「企画・計画立案能力」、「ケア提供能力」、「関係調整能力」、「プレゼンテーション能力」と36項目の小カテゴリーを抽出した。日本公衆衛生学会における「保健師に求められる能力とその内容」については4群の能力が構造化されているが、これらのコンピテンシーに関する先行文献を参照し、抽出された項目については再考する必要がある。平成23年度は、本年度抽出した項目を基に、活動指標尺度の作成を行い、尺度の信頼性・妥当性の検討を行う。 近年、うつ病により休職する労働者の割合は高く、労働者の心の健康問題に対応できる保健師の存在は必須である。しかし、産業保健の現場では、現任教育のシステムが整備されておらず、心の健康問題に対応できる保健師の養成が急務である。本活動指標尺度は、保健師の支援活動評価および質の管理指標としても活用可能であり、ひいては産業保健師の教育に寄与できる。
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