2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792305
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
小松 容子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・司法精神医学研究部, 研究員 (80568048)
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Keywords | 患者参加型ケア / 患者参画 / 精神看護 / 司法精神看護 / 医療観察法 / 質的研究 / 現象学的アプローチ / 文献レビュー |
Research Abstract |
本研究は、医療観察法病棟における患者参加型ケア(ユーザー・インボルブメント)について、看護師および入院患者の認識・体験・意見を明らかにし、その実態を把握することが目的である。そして、これを踏まえて、患者参加型ケアに向けた援助の方向性を探索することを目指している。本年度は、昨年度に収集したデータの分析を行なった。また、患者参加型ケアについての国内文献のレビュー及び、患者参加型ケアが進んでいる諸外国の文献および研究論文のレビューを並行して行なった。 昨年度に収集したデータは、看護師27名、入院患者14名へのインタビューから得られた患者参加型ケアに関連する体験や意見であり、これらは質的データ解析ソフトNvivoを用いて分析を行なった。分析においては、解釈学的現象学アプローチを用い、看護師および入院患者の体験世界に焦点をあて、当事者の捉える現実世界(経験した事実)に基づいて分析を行なった。分析の結果、患者参加の程度、患者参加に関する様々な認識、患者参加を促進する要因、患者参加を阻害する要因等を抽出した。 国内文献のレビューから明確になったことは、患者参加型ケアの研究がいくつか行われているが、患者参加型ケアを臨床の実践場面で促進していくには現時点においてもまだ不十分な状況であるということである。一方、海外文献の研究においては、患者参加型ケアに関連する3大要因「環境要因」、「看護師側の要因」、「患者側の要因」が抽出され、各要因の小項目を明確にすることができた。 以上、今年度はインタビューデータの分析および文献レビューを行い、患者参加型ケアに関する様々な要因を抽出した。これらの抽出された要因を踏まえて、医療観察法病棟における入院患者を対象にした患者参加型ケアの促進に向けた看護および組織のありかたが徐々に明確になってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データの分析の完了が遅れ、予定されていた「初期段階のパンフレット・ガイドラインの作成」に着手していない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度に、「初期段階のパンフレット・ガイドラインの作成」に着手し、この作成されたガイドラインの有効性および利便性についての検討を早急に行なっていく。
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Research Products
(4 results)