2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22800005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 佑輔 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (40581591)
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Keywords | グラフ理論 / アルゴリズム |
Research Abstract |
グラフマイナー理論に基づく既存のアルゴリズムは,計算時間が入力サイズの多項式のオーダーではあるが,理論的にも実用的にも到底効率的なアルゴリズムとは言えないものである.例えば,頂点対が定数(k組)の点素パス問題に対するRobertson and Seymourのアルゴリズムは,計算時間がO(n^3)であるが(nはグラフの頂点数),O(n^3)では計算時間が長い,kに依存する係数が非常に大きな定数である,アルゴリズム自体が複雑である,といった問題点がある.これらの問題点の解決が本研究課題の目的の一つである.本年度の研究では,点素パス問題に対するアルゴリズムをO(n^3)からO(n^2)へ改良した.この改良は,グラフマイナー理論に加えて,多くのグラフアルゴリズムの手法を組み合わせることで実現されており,理論的に重要な結果である.その他にもグラフのクラスをオイラー的なグラフや4辺連結なグラフに制限した辺素パス問題に対して,より単純で高速なアルゴリズムの提案を行なった.また,点素パス問題に関連するいくつかの問題に取り組み,効率的なアルゴリズムの提案を行なった.
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