2011 Fiscal Year Annual Research Report
折紙の数理に基づく展開および折畳み可能な機構の汎用デザインシステムの構築
Project/Area Number |
22800009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舘 知宏 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (50586740)
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Keywords | 折紙工学 / コンピュテーショナルデザイン / 計算幾何学 / 折り畳み / 可動構造 |
Research Abstract |
様々なデザインの文脈において折紙の幾何学を用いることのできる汎用的デザイン手法およびシステムを導くことが研究全体の目的であり、本年度は、以下の研究を実施した。 (a)剛体折り可能性に関する数理的研究として,剛体折紙の微少変形モードと自己釣り合いモードを持つ構造体との関連および,それらの形状を得る解法を研究した。(b)変形動作のモデル化と形状への焼き付けに関する研究として,空間曲線を元に機構を構築する方法と,多自由度折紙機構の変形動作を端部頂点の軌跡として表現する方法を新規に考案した。(a)および(b)の内容を踏まえ(c)新たにデザイン手法・インタフェースを考案・実装し,設計システム[1][2]を構築した。[1]機構の形状をインタラクティブに探索する設計システム:マウスを用いた自由なインタラクションによって機構をデザインできるシステムを構築した。この設計システムは汎用性があり拘束の選び方によって次のようなデザインを実現できる,q-a)一自由度構造設計:展開形状、折畳み形状、中間形状が互いに幾何拘束を受け,一自由度剛体折り可能性の条件を満たした形状探索を行う(1-b)微少変形モードの存在を拘束条件として探索をすることで,剛体折り不可能だが,弾性変形を用いて可逆的変形機構として用いることのできる形態を設計する(1-c)多自由度の折紙機構の変形時の端部軌跡を用いて機構の自由変形を少ない自由度のコントロールで実現する。[2]空間曲線を用いた機構のデザインシステム:CADプラグインとして,作成した空間曲線からリアルタイムで機構を生成しシミュレーション可能とするプロトタイプシステムを実装した。このシステムでは一自由度構造物の矛盾のない組み合わせによる複合的でボリュームを持つ機構をデザインするため,空間曲線を用いてその形状をコントロールできる。また空間曲線に沿った動きの生成に関しても限定的に実現可能であることを確認した。
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