2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期G1/S期進行におけるc-Jun・c-Mycの発現制御機構の解明
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22800017
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平 直江 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特任助教 (40589470)
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Keywords | 細胞周期制御 |
Research Abstract |
癌は細胞の自律的増殖能の獲得によって引き起こされる疾患である。細胞の自律的増殖能は、アポトーシスなどの細胞死誘導からの回避や細胞周期制御機構の破綻によってもたらされる。転写因子c-Jun・c-Mycは細胞周期G1/S期の進行において重要な機能をはたしており、その発現は細胞周期に依存して制御されている。これまで、我々はDYRK2キナーゼがc-Jun・c-Mycの発現を負に制御しているという知見を得ている。しかし、その発現制御機構は不明である。そこで本研究課題に於いてはDYRK2がどのようにc-Jun・c-Mycの発現を制御しているかについて解析を進めた。 培養細胞を用いた生化学的解析より、DYRK2によるc-Jun・c-Mycの発現制御は翻訳後修飾によるものであることを明らかにした。c-Jun・c-Mycの分解機構は、Primingキナーゼとそれに続くGSK-3キナーゼによるリン酸化を受けた後、ユビキチン-プロテアソームによる分解を受けることが報告されている。そこで、DYRK2がPrimingキナーゼとしてc-Jun・c-Mycをリン酸化するかどうかについて解析を進めた。その結果、DYRK2はGSK3キナーゼのPrimingキナーゼとして、c-Junとc-Mycをリン酸化し、引き続くGSK3によるリン酸化とユビキチン-プロテアソーム系による分解を引き起こすことを明らかにした。また、DYRK2をノックダウンによって引き起こされるc-Jun・c-Mycの発現制御異常は、過剰な細胞増殖能の亢進を引き起こすことを明らかにした。また、臨床検体を用いた病理学的解析により、腫瘍組織でのDYRK2の発現の低下が認められた。
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