2010 Fiscal Year Annual Research Report
斬進的な知識獲得インタビューシステムを支えるオントロジー構築プロセスの実証研究
Project/Area Number |
22800027
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小川 泰右 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 特任助教 (60586600)
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Keywords | 情報システム / 人工知能 / オントロジー / 知識獲得 |
Research Abstract |
本研究の目的は,医療サービスを支える医療現場の実践知を獲得するために,インタビューを半自動で行うことができる情報システムにおいて,インタビューの文脈を情報モデルとして表現するためのオントロジー(語彙),および得られた実践知を体系化するためのオントロジー(語彙)を,現場レベルで徐々に獲得していく方法を確立することにある.プロポーザルで述べたように,実践知インタビューでの文脈の表現は,時点を医療行為で,実践における医療者の視点(どのような価値を実現することを意図した医療行為か)を目的概念で表現する.本年度における重要な成果はこの目的概念の体系化の指針が得られたことである.そもそも医療行為には多様な目的が,医師や看護師など専門性の違いや,サービスの提供側と受容側(患者)という立場の違いなどに見いだされる.さらに目的は医療行為において複雑に絡み合っている.このような医療サービスの目的概念を体系化するにあたり,医療現場で従来から提唱されているPOS(Problem Oriented System)に着目し,それを拡張することが有効であるとの見通しが得られた.POSでは,医療行為は患者の立場にたって設計することが理想とされている.ただし,そこでは大まかな設計手順が規定されているのみである.医療者がそれぞれから専門性から提案する医療目的の内容に立ち入りって検討し,医学という学術的視点ではなく,サービスの受容者(患者やその家族など)がうけとる価値の視点から捉え直し概念化(オントロジー化)すること,さらに病院の経営・労務的な視点で提案される改善についての目的も,患者がうけとる価値として概念化しオントロジーとして体系化していけることを確認した.この目的概念の体系化にぶり,オントロジー構築の指針が明確化したといえる.
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Research Products
(3 results)