2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22800032
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 賢哉 京都大学, 次世代研究者育成センター, 助教 (70586081)
|
Keywords | 計算量理論 / 回路計算量 / 論理関数 / 線形計画法 |
Research Abstract |
本研究計画では、論理式サイズ下界を証明するための線形計画問題定式化に対する解析を与え、具体的な論理関数に対する下界値の改良を目指している。最終的に、二次関数を漸近的に超えるような下界を証明することを目標としながら、提案する証明技法の本質的なポテンシャルを明らかにしていく計画となっている。この目的達成のため、本年度においては主に多数決関数などの具体的な論理関数に着目しつつ、本研究で提案する証明技法の能力について計算機実験をも援用しながら理論解析を中心に行ってきた。 具体的な活動として、これまでの成果をまとめ1つの論文とし国際会議へと投稿し発表を行うとともにジャーナル論文としての成果のとりまとめを行った。これとともに、海外の主要な国際会議へ出向き最新の研究動向調査および討議などをおこなった。また、研究活動をスタートしていく上で必要となる計算機環境の構築および整備を推進することができた。 国際会議論文に関しては、単著論文をヨーロッパで権威ある伝統的な国際会議MFCS2010に投稿し、149件投稿中56件採択といった倍率と厳格な査読を経て採択された。この国際会議は8月にチェコのブルノにおいて開催され発表を行った。また、これまでの成果をとりまとめジャーナル論文への投稿を行った。この成果に関しては、その提案証明技法の潜在可能性に対してより精密な検証・解析を新たに付与することができ、より完成度の高い論文とすることができた。 その他の具体的な研究内容としては、主に線形計画問題への解構造探索へ有用であると思われる道具の調査およびその解析を行った。特に、整数計画問題に対する双対性理論と劣化法構造の関連やグラフ・エントロピーを利用した下界証明手法、内点法、さらには外測度理論に関して調査・研究を行った。また、理論解析への足掛かりとして計算機実験を行い有用な結果を得ることができた。
|
Research Products
(3 results)