2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22800039
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 景子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (10585756)
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Keywords | 情報工学 |
Research Abstract |
科学技術の進歩により,比較的単純な判断や表現はコンピュータやロボットが行うことが可能となっているが,無から有を生み出す創造的な活動(創作活動)においては,数値化・言語化が困難である情報(非言語情報)を扱うことが多い.この場においてユーザインタフェースの役割は,創作対象へのユーザの意識を妨害することなく,ユーザの状態に関する情報を記録し,それをユーザコンピュータ間もしくはユーザ間に伝達することである. そこで本研究課題では,そのようなインタフェースの実現を目指し,前年度に実装したシステムを用いて,熟練者を対象としドローイング動作の計測を行う予定であったが,熟練者を被験者として確保することが困難であったため,一般ユーザを対象とし,筆記動作中に含まれる非言語情報を計測するためのシステムとそれを提示するためのシステムをそれぞれ実装した.計測システムを用いた被験者実験により,振動センサから取得された動作情報からからユーザの状態推定が行える可能性を示すことができた.また提示システムでは,位置センサから取得された動作情報から動作の特徴部分を抽出し,ミラーインタフェースを応用した重畳表示により提示できることが確認できたが,その有効性を示すには再実験が必要である.今後は,本研究課題で構築した2種のシステムを統合することで,熟練者のドローイング動作を計測し,ドローイング結果と動作の特徴点の相関をモデル化し,初学者に提示するためのシステムを構築する.また,本研究課題で得られた成果をベースに,創作活動におけるユーザ状態を制作物に対してメタデータとして付与し提示するインタフェースの構築を行う.これにより,制作物の再発見(リファインディング)支援を実現する.
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