2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え動物を用いた精子頭部形成の分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
22800041
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 祥高 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (70578848)
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Keywords | SPACA1タンパク質 / ノックアウトマウス / 精子形成 / 巨大円形精子症 |
Research Abstract |
今年度は申請書の実験計画通り、共焦点レーザー顕微鏡を用いて精子形成時のSPACA1タンパク質の局在を詳細に観察した。その結果、膜タンパク質であるSPACA1は精子先体形成の初期より出現し、完成精子形成時まで先体内膜全体に広く分布し続けることが明らかとなった。また、膜タンパク質であるIZUMO1との共染色により精子先体膜のダイナミックな挙動を観察することができた。これにより、これまでの電顕観察とは異なり精子形成を立体的に理解する上で有用な知見であると考えられる。 作製したSpaca1遺伝子ノックアウト(KO)マウスは雄性不妊を示し、そのKO精子は完全に先体が形成されず、ヒト不妊症の原因の一つである巨大円形精子症(Globozoospermia)に酷似した表現型を示すことが明らかとなった。さらに先体にGFPを持つTgマウスとKOマウスを掛け合わせて、先体をGFPで指標したKO精巣を詳細に観察すると、KOはstep5辺りまではWTとの大きな差は見られないが、その後の先体の伸長が顕著に悪くなることが明らかとなった。つまり、SPACA1が欠損することで精巣内の半数体精子細胞はごく初期の段階で先体に形成異常を来たし、奇形精子が産生されることが分かった。次年度は、SPACA1とその他のGlobozoospermia関連因子との関係を明らかにすることを目標に解析を続ける計画である。
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Research Products
(5 results)