2010 Fiscal Year Annual Research Report
事象関連電位を用いた視覚障害者の音源定位能の評価に関する研究
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22800056
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
澤田 陽一 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (50584265)
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Keywords | 音源定位 / 聴覚的エゴセンター / 事象関連電位 |
Research Abstract |
視覚障害者の音源定位能を事象関連電位(ERP)を用いて客観的に評価することを目指し、本年度は実験室内の機材を整備し予備的検討を実施したので、その成果を報告する。 水平面の音源定位において、早期全盲者が聴空間座標の原点(聴覚的エゴセンター)が晴眼者よりも後方にシフトしていることが示されている。本研究ではまず、聴覚的エゴセンターを求めた先行研究の手続きに従って、晴眼者を対象に実験を実施した(スピーカが大きいため音源位置が重なるという先行研究の実験的不備を修正している)。その結果、晴眼者の聴覚的エゴセンターは両眼軸上に位置するという先行研究と同様の結果が得られ、実験設備の信頼性と妥当性を検証することができた。しかし、聴覚的エゴセンターを求めるには基準音源に対する比較音源の相対的位置(閾値)を求める必要があり、それには長時間を要するため被験者に相当の負担を強いることが分かった。今後、実験機材の整備や手続き・課題の工夫等を行う予定である。 また、ERPを用いた音源定位の客観的評価についても検討をおこなった。被験者を中心に等距離の円周上に基準音源とそれから7度ずつ3つの離れた位置(7度、14度、21度)に比較音源を配置し、基準音源をnon-target、比較音源をtargetとし1対4の割合で音提示を行うOddball課題を実施した。その結果、潜時100msの陰性成分と200msの陽性成分が生じ、その振幅(Peak-to-Peak)が基準音源から離れるに従って増大することが示された。今後、この特性を利用し音源定位能の客観的評価に向け、探索的な検討を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)