2010 Fiscal Year Annual Research Report
自家細胞培養のための細胞状態変化に対応する培養環境最適化システムに関する研究
Project/Area Number |
22800064
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
野中 一洋 東京電機大学, 理工学部, 助手 (50584182)
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Keywords | 自家細胞培養 / 培養環境最適化 / 細胞挙動解析 / 非侵襲的評価 / 細胞状態予測 / 培養面設計 / Scaffold / 再生医療 |
Research Abstract |
培養細胞および組織の生産工程の特徴として,患者および採取部位ごとに細胞の活性や寿命が変化し,採取した原料である細胞は不均質な特性を有していることが挙げられる.不均質な細胞から組織を安定的に生産するためには培養面における細胞挙動変化についての経時的な観察が必要であり,培養状況を常時モニタリングし,細胞組織の診断および変性を定量的,かつ非侵襲的に検出するシステムの構築が望まれる.本研究では,組織再生に重要な線維芽細胞を用い,細胞から組織に至る培養中の細胞群に着目し,培養面における細胞群の運動形態に対する非侵襲的評価技術の構築を目的とした.細胞群の挙動評価手法として,流れの可視化技術の一つである粒子画像流速測定法(Particle Image Velocimetry : PIV)を用い,異なる培養面における細胞群の移動推移や細胞群内における個別細胞の速度ベクトル解析により,細胞群の挙動の規則性を抽出し,本解析手法の有用性を検討した.セグメント化ポリウレタンから成る繊維性のScaffoldを培養面とし,培養面上の線維芽細胞の挙動に対して,PIV解析を行った結果,複数の細胞に対して同時にベクトル解析することが可能となった.さらに細胞増殖の際に細胞同士が相互に及ぼす影響や移動速度に関してScaffoldの特性と関連付けて検討を行うことが可能となり,迅速かつ効果的に細胞を組織化させるためのScaffold構造を示唆する結果を導き出すことに成功した.この解析により,細胞が密集した状態ではScaffoldは細胞群の挙動を安定させ,細胞同士の密着性を強める効果があることが確認され,本解析手法は再生医療および細胞を用いた人工臓器における細胞挙動評価技術として有用性があるものと示唆された.
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Research Products
(16 results)