国民体育大会が都市空間にもたらした影響に関する歴史社会学的研究

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 22800066
• Research Institution: Toyo University
• Principal Investigator: 高尾 将幸 東洋大学, ライフデザイン学部, 助教 (60584381)
• Keywords: スポーツイベント / 都市空間 / 戦災復興

Research Abstract

本研究は1950(昭和25)年に開催された第5回国民体育大会(以下、愛知国体)を事例に、スポーツと都市とが取り結んできた構造的な関係を歴史社会学的に解明することを目的としている。平成22年度は基礎的な作業として愛知国体における大会開催の経緯や当時のスポーツ界の状況を伝える、史料および文献の収集を行った。具体的には、まず購入および本学図書館における相互貸借制度を利用して、都市開発と万博や五輪などのメガイベントに関連する書籍、資料の収集を行った。次に愛知国体および名古屋市の戦災復興、さらに公園緑地・土木行政に関連する資料について、愛知県名古屋市にある「名古屋都市センター」および「名古屋市鶴舞図書館」を訪問し、史料複写など収集作業に取り組むことができた。以上の収集史料については、項目ごとに整理しファイリング作業を行うと同時に、今後の研究利用に資するためにスキャナを用いて画像保存作業を行った。なお、名古屋市への出張時には、名古屋市瑞穂運動場および鶴舞公園を訪れ、種々の運動競技施設および愛知国体の様子を伝える史跡を撮影するとともに、公園周辺の宅地や道路などの状況についても確認することができた。以上の史料は、今後、愛知国体におけるスポーツイベントと都市開発との連動を考察する際に基礎的な部分を担いうるものであり、平成23年度はこれを踏まえ、当時の様子を伝える新聞雑誌記事等の細かい資料に切り込んでいくとともに、その当時を知る関係者にインタビュー調査を実施することで、より深く考察を加えていきたい。