2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22800075
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
難波 秀行 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (80559790)
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Keywords | 身体活動量 / 携帯電話 / アルゴリズム / DLW(二重標識水) / ICT / インタラクティブ / 多人数 / 低コスト |
Research Abstract |
本研究で開発を試みた携帯電話による身体活動量測定は,1)数万人規模の多人数にリーチできる可能性がある,2)インタラクティブ(双方向)な通信機能により,個々の特性に応じた質問により測定精度の向上が期待できる,3)多人数のデータ管理が容易で低コストでの利用が見込める,などのメリットが挙げられる. 利用者のIT環境に応じた2種類のアルゴリズムによる身体活動測定システムを開発して,その妥当性を日常生活の身体活動を最も正確に測定できる二重標識水(以下DLW法)を用いて検討した.対象者は一般健常な男女20名(25~61歳)で,それぞれの方法で7日毎に計14日間の測定を行った.1つ目の24h Physical Activity Record WEB(以下24hPAR WEB)による総エネルギー消費量は,DLW法との間にr=0.874(p<.001)の相関関係が認められ,2つ目の7days Recall WEBは,DLW法との間にr=0.590(p<.006)の相関関係が認められた.なお,両測定法の総エネルギー消費量の平均値は,DLW法との間に有意差は認められなかった.ユーザビリティ評価では,両測定法ともに良好で,1回当たりの平均入力時間は,24hPARWEBでは8分10秒で,7days Recall WEBでは6分38秒であり,入力日が進むに連れて回答時間が早くなる傾向がみられた. さらに本研究で開発した24hPAR WEBを発展させ,イラストを用いて記憶想起を促す仕組みを取り入れたスマートフォン等にも対応可能な「身体活動測定システム」を発明し,特許出願(特願2011-227032)を行った.本発明により数万人規模の身体活動量測定を低コストかつ高精度で評価が可能となり,身体活動量の低下が原因で生じる生活習慣病予防への貢献が期待できる.本研究のオリジナリティは多人数の身体活動量を短時間かつ正確に低コストで測定できることにあり,本成果は近年開発が目まぐるしい健康支援システムのコアとなる可能性が高い.
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