2010 Fiscal Year Annual Research Report
麻痺筋の力学的特性の定量解析とオーダーメードストレッチングプログラムの開発
Project/Area Number |
22800085
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
加藤 えみか 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所運動機能系障害研究部, 流動研究員 (90586439)
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Keywords | 麻痺筋 / 力学的特性 / ストレッチング / 筋の形状 / 関節可動域 |
Research Abstract |
1.下腿の形態的特性,下腿三頭筋の筋形状の計測 受傷後1年以上が経過している慢性期脊髄損傷患者10名と,年代が一致する健常な成人男性10名を対象として,下腿三頭筋各筋の筋厚を超音波法により取得した.測定姿勢は股関節及び膝関節角度90度屈曲の座位で足関節は0度であった.腓腹筋内側頭,外側頭,ヒラメ筋の全ての筋で健常者と比較して脊髄損傷患者では有意な低値を示した 2.足関節及び下腿三頭筋・アキレス腱のスティフネス計測 上記と同一の被検者を対象として実験を行った.被検者は筋形状の測定時と同様の姿勢をとり,足関節は足関節底背屈装置のフットプレートに固定された.足関節の受動背屈を底屈5度から背屈15度までの範囲で毎秒5度で行った.足関節角度と関節角度変化にともない底屈筋群から発生する受動トルクを100Hzで取得した,また,超音波画像装置のプローブを腓腹筋内側頭,外側頭,ヒラメ筋に貼付し,受動背屈中の超音波画像を30Hzで撮像した.受動背屈中に計測した超音波画像から,画像分析ソフトウェアを用いて各々の筋伸長を算出した 二元配置(群x足関節角度)の分散分析の結果,同一の足関節角度変化に対する受動トルクは有意な交互作用がみられた.また,筋伸長については腓腹筋では内側頭,外側頭ともに二群間で有意な交互作用がみられたが,ヒラメ筋では二群間で有意な交互作用はみられなかった.このことから,足関節の角度変化が同じであっても,受動トルクの増加と腓腹筋の伸長性が脊髄損傷患者と健常者とで異なることが明らかになった.以上から,麻痺により筋への神経支配が断たれることで受動的な関節運動の際に受動トルクが高くなること,さらには麻痺により腓腹筋が伸長されにくくなることが示された
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Research Products
(3 results)