2010 Fiscal Year Annual Research Report
筋硬度評価法の確立―筋サイズと筋力との関係の再検討を目指して―
Project/Area Number |
22800089
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
赤木 亮太 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (20581458)
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Keywords | 筋硬度 / エラストグラフィ / 超音波診断装置 / 筋サイズ / 筋力 |
Research Abstract |
「研究目的」筋硬度は筋力に影響を及ぼし得る要因であり,それゆえ,筋硬度を評価することは,筋サイズ(筋体積,筋横断面積)と筋力(関節トルク,筋張力)との関係及び筋の力発揮特性(筋サイズあたりの筋力)をより正しく検討する上で不可欠である.本年度は,骨格筋内部組織の正確な識別が可能な超音波診断装置のエラストグラフィにより筋硬度を客観的に評価する方法を確立するとともに,筋硬度と筋サイズとの関係を明らかにすることを目的とした. 「研究方法」腓腹筋内側頭を対象に,筋硬度および筋サイズを測定した.筋硬度の測定には,超音波診断装置のエラストグラフィおよび既知の硬度を有する素材を用い,複数回測定を実施することでその再現性を検証した.本研究では,筋サイズの変数として筋厚を採用し,超音波診断装置を用いて測定した.足関節角度は30度(底屈位),0度,-20度(背屈位)の3角度とした. 「研究成果」本研究で採用した筋硬度測定法は,高い再現性を示した.この方法は,腓腹筋内側頭以外の筋硬度測定にも適用可能であると推察される.腓腹筋内側頭の筋硬度と筋厚との関係を検討した結果,足関節角度30度のみ,両者の間に有意な正の相関関係がみられた.このことは,受動張力がかからない状態では,腓腹筋内側頭の筋サイズが大きいほど筋が硬いことを意味する.筋サイズ・筋硬度ともに筋力に影響を及ぼし得ることを考慮すれば,腓腹筋内側頭の筋サイズと筋力との関係を明らかにするうえで,筋硬度はやはり無視できないものといえよう.
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