2010 Fiscal Year Annual Research Report
末梢性疲労および中枢性疲労の検証と両者の関係性の解明
Project/Area Number |
22800090
|
Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
高橋 恭平 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (20585492)
|
Keywords | 脳血流 / T1 / MRI / 筋電図 |
Research Abstract |
本研究の目的は,筋出力の低下における末梢性疲労と中枢性疲労の関係性を明確にし,至適な運動(トレーニング)刺激を同定することであるが,平成22年度は,まず,MRIにより運動筋における末梢性疲労の評価を行った.行った実験は,MRIによる運動筋におけるT1値の測定および筋電図と発揮トルクの測定の2つである. 1. MRIによるT1値の測定 12名の被験者は,30%MVCの運動負荷,1Hzの運動頻度,2分間の運動時間で右足首背屈運動を3回行った.3回の運動の休息は5分間とした.MRI撮像によるT1値の測定は,運動前,各運動終了直後,回復期の15分目と30分目で右下腿において行った.長趾神筋および前脛骨筋のT1値は,運動前の基準値と比較して運動1回目,2回目,3回目と漸増し,その後基準値へ回復傾向にあったものの高いままであった. 2. 筋電図と発揮トルクの測定 運動プロトコルは「1.」に記載したものと同様とした.前脛骨筋における筋電図は実験中終始記録され,実験後RMS値を算出した.発揮トルクは,「1.」に記載したMRI撮像と同じタイミングで5秒間の右足首背屈運動のMVCを測定した.発揮トルクは,運動前の基準値と比較して運動1回目,2回目,3回目と漸減した.この筋出力の低下に伴い,筋電図のRMS値は漸増した. 末梢性疲労の評価はこれで完了とし,今年度は同運動中にMRIにより脳血流動態を測定し,中枢性疲労の評価を行う.
|