2010 Fiscal Year Annual Research Report
弾性率の異なる自己組織化中空集合体の創製と体内動態評価
Project/Area Number |
22810009
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安楽 泰孝 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任研究員 (60581585)
|
Keywords | 自己組織化 / 中空粒子 / ベシクル / 弾性率 / 生体内デリバリー / バイオマテリアル / DDSキャリア / 体内動態 |
Research Abstract |
架橋Nano-PICsomeの架橋率の算出法の確立、安定性、弾性率等の基礎的な物性評価を中心に研究を進めた。ます架橋率は、濃度既知の架橋Nano-PICsomeを重水置換した後に、全反射型赤外吸収(ATR-IR)法にて-CONH伸縮振動、または-COO伸縮振動のピーク強度比を比較することで架橋率を算出することに成功した。さらに得られた架橋率の異なるNano-PICsomeの生理条件下での安定性については、動的光散乱測定(DLS)、蛍光相関分光法(FCS)を用いて評価を行った。架橋剤であるEDCが粒子形成時に含まれる-COOH基に対して0.5等量以上加えることで、生理条件下での安定性が賦与されることが明らかになった。こうして得られた粒子の弾性率を原子間力顕微鏡(AFM)のフォースカーブを解析し算出した所、約10kPaから1MPaまで容易に、幅広く弾性率をコントロールすることができることが明らかとなった。既存のベシクルでは弾性率を変化させるには、膜の厚みを変えるしかないが、高分子ベシクルで膜厚を20nmから40nmまで変えたところで、弾性率は10MPaから20MPa程度しか変化できない(Chen, Q.et.al., Soft Matter, 2009.5.4944-4950.)。さらにベシクルのサイスが同一であるならは、膜厚を変えることで内水相の体積が減ることは明らかである。こういった点からも加える架橋剤の量を変えるのみで、幅広く弾性率をコントロールできることは、本研究の目的である弾性率の異なる粒子の体内動態を評価する上で最適であることが示唆きれた。
|