2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本の植民地政策における音楽の機能の研究:1930~40年代の台湾・朝鮮を中心に
Project/Area Number |
22820025
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
葛西 周 東京芸術大学, 音楽学部, 助手 (00584161)
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Keywords | 音楽学 / メディア・イベント研究 / 異文化表象 / データベース / ポストコロニアル理論 / 近代日本音楽 |
Research Abstract |
当該年度は、前年度の音楽関係記事の予備調査に基づき、引き続きデータベース構築作業をおこなった。前年度に日本で調査した新聞雑誌の欠号分の所蔵状況および内容の確認調査を実施するとともに、国内外での資料の所蔵状況が確認できるようなリストの作成を進めた。これと並行して、大阪の(株)乃村工藝社情報資料室で所蔵している、植民地で開催された博覧会および内地で開催された博覧会の植民地をテーマとしたパビリオンにおける音楽演奏や舞踊の上演に関する資料を確認した。 また、同志社女子大学仲真美子教授・東京芸術大学塚原康子教授と大連・鞍山・藩陽に渡航し、現地調査をおこなった。なお、両教授は公益財団法人トヨタ財団2010年度研究助成プログラム助成金「植民地時代の旧満州地域および台湾の日本伝統音楽・芸能の普及の実態とその意義:上海租界地域および国内との比較考察を通して」というプロジェクトの一環として渡航されており、近いテーマではあるがそれぞれ個別の調査を同旅程・別会計で実施した。具体的には、大連能楽殿跡、沙河口神社、満鉄協和會館、満鉄病院、大連神社等を訪れ、内地からの公演関係の関連建造物確認作業、雅楽演奏が行われたと推察される神社の調査をおこなった。 研究成果のアウトプットとしては、前年の学会発表の成果を英語でまとめたものが、査読付論文として『演劇映像学2012』に掲載された。また、北京中央音楽学院で開催された「世界音楽週2011」に招かれて研究成果の口頭発表をおこなうなど、海外を視野に入れた成果の発信を積極的に試みた。
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