2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人スペイン語学習者の作文に含まれる誤りの自動検出
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22820047
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
バルベルデ ピラール 愛知県立大学, 外国語学部, 講師 (10588205)
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Keywords | スペイン語 / 第二言語習得 / 制約文法 / 誤り自動検出 / 学習者コーパス / 品詞タグ付け / 一致(agreement) / 統語情報 |
Research Abstract |
本研究は、外国語、特にスペイン語の効率的な教育法を向上させ、第二言語習得の科学的研究を促進することを目的とする。Karlssonらの制約文法を発展させ、それを用いて日本人学習者のスペイン語作文に含まれる誤りの一般化を試み、特に、統語情報に関連する誤りに着目することで、そうしたデータを制約文法の規則として体系化することを目指す。 本年度は、日本人スペイン語学習者の作文例を収録した小規模なコーパスに含まれる5000語余りの語に関し、昨年度行った品詞タグ付けを精査することで、以下の点を確認検証した。 1.誤りを含んだ学習者コーパスに関する自動品詞タグ付けの効能(継続) 2.数・性の一致(agreement)に関する学習者が起こしやすい誤りの精査 これらの結果、学習者コーパスには冠詞-名詞、名詞-形容詞、主語-主語補語、目的語-目的語補語という文法対象の間に必要な一致に関する誤りが、多数含まれていることがわかった。 そして、研究の次のステップとして、こうした学習者の構文誤りを自動的に検出する制約文法システムを構築するため、その解析器が必要とする規則の記述を行い、また研究経過の報告を国際会議Learner Corpus Research 2011で発表するべく投稿し、受諾された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初の見込み通り、作業及びそれに基づいた考察も進展している。 成果の対外発表も行ってきているが、産休に入ったため、行動に制限が生じてしまい、区分(1)と評価できるほど活動はできていない。しかしながら、作業や文献調査は行ってきているので、(3)よりは進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
スペイン語学習者コーパスを利用、分析することで、当該言語の特徴である性と数の一致に関し、学習者が引き起こしている文法誤りを(半)自動的に検出する規則を、制約文法の枠組みに基づいて記述する。こうした一致に関する誤りは、冠詞と名詞、名詞と形容詞補語、名詞と名詞補語、主語と動詞等といったさまざまな統語的なユニットにおいて見られるので、それらを一つずつ確認しながら、学習者の抱える問題点を抽出していく。
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