2011 Fiscal Year Annual Research Report
国境横断物語評論:日系ペルー人の国・アイデンティティーとは何か
Project/Area Number |
22820073
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
間藤 茂子 早稲田大学, 国際教養学術院, 准教授 (90579468)
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Keywords | ラテンアメリカ文学 / 文学論 / 人口・移住研究 |
Research Abstract |
「日系ペルー人の国・アイデンティティーとは何か」と題し、日本人のペルー移民史、20世紀後半のペルー人の日本への出稼ぎ逆移民現象、日系ペルー人のアイデンティティーの構築を研究した。さらに、彼らのアイデンティティーが文学作品にどのように表象されているかを、移民、国境横断で生まれる多、混合文化に関する理論を通じて分析した。第一に、日系ペルー人による文学作品を、ペルー、米国、日本にて収集した。日系ペルー人作家Doris Moromisato、Augusto Higaと知り合い、Higaとは、正式なインタビューをした。また、彼らを通じ他の日系ペルー人作家の存在も知った。第二に、移民史を研究するため、リマ市日系文化センター資料館を訪れた。また、ペルーでは取得不可の文学作品を米国図書館にて取得した。第三に、論文出版、学会発表をした。論文「Beyond the Memory of Displacement: Adios to Tears」は、学部内の紀要に掲載された。また、クスコで行われた国際スペイン語文学シンポジウムで、Moromisatoの詩集にどのように沖縄日系ペルー人アイデンティティーが描写されているかを分析した(2012年3月9日)。第四に、この研究を本にするため、論文出版、学会発表を今後とも進めていく。2012年5月24日、ラテンアメリカンスタディーズ学会(発表選考率33%)で「(Un)negotiating Nisei Identity in Peru」と題し、日系ペルー人二世のアイデンティティー危機を探求する論文を発表する。また、このテーマに関する論文をHispanofila(Univ. of NC)学術誌に投稿した。さらに、ペルーリマを拠点とする出版社、Ediciones Murrupとの代表とも将来、日系ペルー人文学作品集を出版する案を話し合っている。
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Research Products
(2 results)