2010 Fiscal Year Annual Research Report
タイ国中部地域の王室寺院が所蔵する東南アジア撰述仏教説話写本の研究
Project/Area Number |
22820077
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
清水 洋平 大谷大学, 文学部, 非常勤講師 (50387974)
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Keywords | 貝葉写本 / 東南アジア仏教 / データベース / タイ |
Research Abstract |
本年度は、まず、タイ国中部地域に所在する第一級王室寺院Wat Mahathat Yuwaratrangsarit(収蔵貝葉写本は約700套)、第二級王室寺院Wat Ratchasittharam(収蔵貝葉写本は約720套)、第三級王室寺院Wat Yai Suwannaram(収蔵貝葉写本は約240套)の所蔵貝葉写本集成を軸とする現在収集済みの約1700套(一套の中に複数の文献が所収されることが多い)の文献情報、並びに東南アジア撰述の仏教説話に関わる文献の約4万枚近くのデジタル画像について、その所在目録・データベースを構築するため、東南アジアの仏典貝葉写本のカタログ作成の第一人者であるJacqueline Filliozat (Honorary lecturer, Ecole Francaise d'Extreme-Orient)女史を招聘し、8月30日より2週間、同女史の全面的な協力を得て、それらの所在目録・データベース構築に向けての基本方針を策定した。 次に、ラーマ2世の菩提寺であり日本人にも馴染みの深い、バンコック所在の第一級王室寺院Wat Arunratchawararam(通称Wat Arun)の所蔵写本の調査許可を得ていたため、2011年2月7日~2月28日に現地調査を実施した。同寺院に収蔵されていた約160套の貝葉写本集成の中には、タイ国内で現存している貝葉写本としては古いアユタヤー時代後期(1600年代)に筆写された貝葉写本やPannasa-jataka、 Pb□hamasambodhiのnissaya、 Ma□ipadipa、 'Mahabuddhagu□a'や'Anisa□sa'に関する文献など、稀覯文献と考えられるものも多数所蔵されており、それらをデジタル画像資料として収集できたことは大きな成果であった。これにより、現在進行中の所在目録・データベース構築作業に貴重な文献情報が加わることになり、そのより高い完成が見込まれる。
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