2011 Fiscal Year Annual Research Report
タイ国中部地域の王室寺院が所蔵する東南アジア撰述仏教説話写本の研究
Project/Area Number |
22820077
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
清水 洋平 大谷大学, 文学部, 非常勤講師 (50387974)
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Keywords | 貝葉写本 / 上座仏教 / 東南アジア仏教 / タイ写本 / データベース |
Research Abstract |
1.昨年度末(2011年2月7日~2月28日)に実施したバンコク所在の第一級王室寺院Wat Arun Ratchawararam(通称Wat Arun)の所蔵写本調査において、そこで得られた約160套の収蔵貝葉写本集成についての文献情報の取りまとめをおこなった。 2.東南アジアの仏典写本のカタログ作成の第一人者であるJacqueline Filliozat (Honorary lecturer, Ecole Frangaised' Extreme-Orient: EFEO)女史の尽力により、パリ所在のフランス極東学院(EFEO)が所蔵するタイ国中部地域に流布した東南アジア撰述仏典写本についての調査許可が得られた。よって、2011年8月17日~8月26日に同女史と共に調査を実施した。同学院が所蔵する東南アジア撰述仏教説話写本のうち、Suttajatakanidananisamsa (EFEOPALI35,130)などの'Anisamsa'に関する文献のほか、その他多くの稀覯文献と考えられる写本文献をデジタル画像資料として収集することができた。これにより、個々の写本文献研究を進める上での第一次資料の資料充実が図られた。 3.現在収集済みである、タイ国中部地域に所在する第一級王室寺院Wat Mahathat Yuwaratrangsarit、 Wat Aru、第二級王室寺院Wat Ratchasittharam、第三級王室寺院Wat Yai Suwannaram、Wat Thepthidaramの所蔵貝葉写本集成を軸とする約1,700套(一套の中に複数の文献が所収されることが多い)を超える写本文献の情報について、それらすべてのデータ入力を終了し、所在目録を作成した。これにより、現在まで殆ど実態が不明であったタイ国中部地域の王室寺院が所蔵する収蔵文献について、その特徴を明らかにした。
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