2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22830006
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
加藤 敬太 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (10581861)
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Keywords | 経営学 / 経営戦略 / 長期存続 / 老舗企業 / サステイナブルな戦略 |
Research Abstract |
本研究は、企業にとって最重要課題である「長期存続」に関して経営戦略論の観点から明らかにするものである。とくに本研究では、具体的に老舗企業を取り上げ、フィールド調査に基づき、「企業の長期存続プロセスのメカニズムに関して経営学的に明らかにすること」を目的としている。 今年度の実績としては、企業の長期存続の観点から経営戦略論を中心とした文献サーベイを行ったこと、老舗企業のフィールド調査を実施したことである。 文献サーベイに関しては、他社に模倣されにくい独自資源の保有が持続的競争優位つながるとしたRBV(resource-based view)と既存の老舗企業研究を批判的検討し、企業にとって長期存続を目指すうえで独自資源を将来の戦略展開に活用する「サステイナブルな戦略」が重要であることを主張した。この観点は、次のフィールド調査と合わせて、査読論文として投稿したレビュー部分としてまとめた。 次にフィールド調査に関しては、3ケース(4社)に対して継続的に実施した。1つ目は、創業から300年以上存続し、江戸時代からの伝統的製品の八丁味噌を造り続ける味噌メーカー「(株)まるや八丁味噌」「(資)八丁味噌」の2社、2つ目は、現在、清酒の準大手メーカーで、紙パック製品の開発により変革を遂げ創業から150年以上経過する「清洲桜醸造(株)」、3つ目は、食酢メーカーとして有名で総合食品メーカーとなった「ミツカン」である。 この3ケースに関しては、平成22年9月開催の経営史学会関東部会にて報告を行うとともに、八丁味噌メーカーのケースに関しては、上記の理論レビューと合わせて事例研究として論文にまとめ、学会誌に投稿、受理された。
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Research Products
(1 results)