2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22830006
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
加藤 敬太 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (10581861)
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Keywords | 経営学 / 経営戦略 / 老舗企業 / 長期存続 / 伝統継承 / サステイナブルな戦略 |
Research Abstract |
本研究は、企業にとって最重要課題である「長期存続」に関して経営戦略論の観点から明らかにするものである。とくに本研究では、具体的に老舗企業を取り上げ、フィールド調査に基づき「企業の長期存続プロセスのメカニズムに関して経営学的に明らかにすること」を目的としている。 今年度の実績としては、昨年度に引き続き、企業の長期存続の観点から経営戦略論を中心とした文献サーベイを行ったこと、老舗企業のフィールド調査を実施したことである。 フィールド調査の対象となった老舗企業は、3ケース(4社)である。1つ目は、創業から300年以上存続し、江戸時代からの伝統的製品の八丁味噌を造り続ける味噌メーカー「(株)まるや八丁味噌」「(資)八丁味噌」の2社、2つ目は、現在、清酒の準大手メーカーで、紙パック製品の開発により変革を遂げ創業から150年以上経過する「清洲桜醸造(株)」、3つ目は、食酢メーカーとして有名で総合食品メーカーとなった「ミツカングループ」である。今年度は、八丁味噌メーカーに関するインタビュー調査を中心に実施し、清洲桜醸造およびミツカングループに関しては、現地の関係図書館から郷土史料を収集した。 八丁味噌メーカーのフィールド調査においては、地元岡崎のステークホルダーらが独自にネットワーク化され長期的に存続を確保する戦略行動が明らかとなり、RBV(resource-based view)を中心としたと経営戦略論のレビューから「サステイナブルな戦略」という概念を打ち出し、『組織科学』誌に査読付き論文が掲載された。 また、伝統技術の継承に関する調査も行い、多様な観点から老舗企業の長期存続のメカニズムを明らかにするべく研究を継続した。現在、本研究の当初の予定通り、3つのケース分析に基づき、その集大成としての研究書籍の出版に向けた準備が整った状況である。
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Research Products
(5 results)