2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22830007
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小瑶 史朗 弘前大学, 教育学部, 講師 (50574331)
|
Keywords | 国際理解教育 / 地域展開 / 社会科 |
Research Abstract |
平成22年度は、まず基礎的文献や情報機材の設置など研究体制の構築に取り組んだ。その後、青森国民教育センターにて教育実践資料の収集を行った。当初、国際理解教育に関する実践資料を収集する予定であったが、当該資料が十分に蓄積されていないことが明らかとなり、対象を地域学習に変更した。その結果、1970年代から80年代に取り組まれた地域教育に関する資料を収集することができ、特に原子力発電所問題、第1次産業の衰退を受けて取り組まれた社会科教育実践を発掘することが出来た。こうした地域に根差した教育と国際理解教育を結ぶ理論的枠組み論理を構築することが、今後の主要な課題となるが、この点に関係して、戦後国際理解教育の理論的枠組みを歴史的視点から再検討し、今日的な立脚点を定める作業をおこなった。その成果を開発教育協会の機関誌『開発教育』へ投稿した(現在、査読・編集中であり、平成23年度夏ごろに出版予定である)。以上の作業と並行して、日本社会科教育学会、全国社会科教育学会へ参加し、国際理解教育及び地域学習を巡る全国的な研究動向を探ったが、国際理解教育に関する報告の多くが、都市圏を前提とする傾向が強く、「地方」の視点からそのあり方を問い直す本研究の意義を再確認した。なお震災の影響により、平成23年度3月に実施する予定であった調査が行えず、青森県内における国際理解教育の実施状況が十分に把握できていない。この点を出来る限り早く明らかにし、その実態を受けて、求められる理論的枠組みと教育実践上の手立てを考案していきたい。
|