2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22830018
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小阪 玄次郎 茨城大学, 人文学部, 講師 (90582297)
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Keywords | 経営学 / 技術経営 / イノベーション / 研究開発組織 / 特許 / セラミックコンデンサ |
Research Abstract |
本研究の目的は、企業が高い研究開発成果を達成し、イノベーションを生みだしていくためには、いかなる研究開発組織の形態が適合的であるかを探索することである。この目的のため特許データを活用し、集計レベルで見た組織の活動だけではなく、技術者集団の分布や、技術者個人の活動履歴、技術者間の共同関係など多様なレベルを同時に観察して、見いだされる組織の特徴と研究開発成果との因果関係を探索する作業を行った。 セラミックコンデンサ業界の企業間比較から得られた主たる知見は次の2つである。第一に、大規模な多角化企業が研究開発上の強みを発揮するために重要なのは、多様な専門技術者がいるということ自体では必ずしもなく、むしろ多様な技術を統合する役割の技術者が存在していることだという可能性である。第二に、事業領域が相対的に狭く多様な技術者を保持していない専業企業においても、技術的知識の幅を技術者個人が経時的に広げていくことによって、長期的には多様な技術者を保持する多角化企業と類似した技術基盤を確保し同等の開発成果を達成することができる可能性である。 既存研究は、企業がイノベーションを生み出し、あるいはイノベーションに適応していくために新規の技術的知識を確保する方策について、主に企業レベルでの議論を展開してきているように思われる。本研究は、具体的な研究開発組織の中でいかにして技術者たちが技術変化に対応するための知識を保持するのか、というよりミクロなレベルに注目して研究開発組織の特徴を明らかにしたことで、組織設計の実践に向けた含意をより豊かにする意義があるものと考えている。
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Research Products
(4 results)