2010 Fiscal Year Annual Research Report
教育ガバナンス改革の日米比較に基づく分散型リーダーシップ理論の再構築
Project/Area Number |
22830031
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
篠原 岳司 福井大学, 教育学研究科, 研究員 (20581721)
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Keywords | 分散型リーダーシップ / 教育制度 / 学習する組織 |
Research Abstract |
本年度は、「分散型リーダーシップ」の理論に関する文献の検討、および実証研究にむけた調査フィールドとの関係作りとデータ収集を中心に進めてきた。 本研究課題の遂行に向けて検討した中心文献は、Harris, A. (ed),Distributed School Leadership, Netherlands, Springer Pressである。ハリスは、分散型リーダーシップの理論には、学校という組織を教師たちの協働による専門性開発のための組織に組み替えるための梃子として有用であることを述べている。この主張は、人間の活動を一方的に規定する不可変な制度観を離れ、制度を人と人との相互作用に基づく可変的でサステナブル(持続可能)な動的構造として捉える必要性を導き出す。実践論としての分散型リーダーシップの理論を制度概念に応用していく意義とは、学校組織や教育制度が「学習する組織」(P・センゲ)としてその構造を転換させるよう要請されている現実に対し、組織や制度を、それらを構成する各アクターの相互作用と学習に基づく関係性の網(ネット)として解明していく新たな理論枠組みの創造にあるのである。 このハリスの検討によって、本年度は制度および組織の実証研究にむけて新たな分析視角を獲得するに至った。この成果をもって、既に予備調査を終えているフィールドに継続的に入り、次年度は研究目的に即した実証研究をさらに進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)