2011 Fiscal Year Annual Research Report
教育ガバナンス改革の日米比較に基づく分散型リーダーシップ理論の再構築
Project/Area Number |
22830031
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
篠原 岳司 滋賀県立大学, 人間文化学部・人間関係学科, 准教授 (20581721)
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Keywords | 分散型リーダーシップ / 教育ガバナンス / シカゴ学区 / 教育センター / 学習する組織 |
Research Abstract |
本年度は当初計画に従い、3つの実証研究を行った。 第一に、福井大学教育地域科学部附属中学校の「探究するコミュニティ」の創造と発展のプロセスについて、附属中学校の教師たちが残している長期にわたる長期実践記録をたどり、インタビュー調査や授業研究会へのアクションリサーチも実施した。これにより、教師の実践と学習を基盤とした学校組織の持続的発展のメカニズムに迫る事ができた。 第二に、福井県教育研究所における所内組織改革と指導主事による学校への訪問研修プログラムの実践について、研究所の過去の研究紀要および指導主事および研究員が記録化している各自の実践記録をたどり、関係者に直接の聞き取りも行った。これにより、学校現場の改革を支える教育ガバナンスの要として、国内の各自治体における教育センターの存立意義を明らかにすると共に、指導主事が組織内で協働し、学校改革のための研修のデザインと実践の改善を追究していく意義を導き出すことができた。この成果は、教育実践の改善を支える教育ガバナンスの具体像をわが国の文脈に当てはめた時の、極めて現実的な示唆を含んでいると考える。 最後に、米国シカゴ学区のLocal School Councilと教師の協働による学校改善や、その経営実践を支援する教育行政の支援施策(Five Fundamentals for School Success)の調査を試みたが、学校における訪問観察とインタビュー調査を進める事ができず資料収集を行うに留まった。ただし、教員組合の幹部や学校改善を支援する教育NPOの研究者にインタビューができ、今後の学校調査への足がかりを築いたところである。 これらの研究成果の一部は、日本教育経営学会や日本教育学会で報告しており、今後も成果発表を続けていく予定である。また、これらの実証研究の成果を踏まえ分散型リーダーシップを理論的に再構築していく作業が今後の研究の柱となる。
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Research Products
(5 results)