2011 Fiscal Year Annual Research Report
fMRI順応法による視覚意識を伴う処理過程と伴わない処理過程の神経機構の研究
Project/Area Number |
22830039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山城 博幸 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 研究員 (60582038)
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Keywords | 視覚意識 / 個人差 / fMRI |
Research Abstract |
視覚意識すなわち「見る」という主観的経験の神経基盤の解明は心理学および神経科学の根本的なテーマの一つである。本研究の目的は、視覚意識を伴うときと伴わない時の初期視覚処理過程の神経基盤が、どの程度共通でどの程度異なるかをfMRI順応法を用いて定量化することであった。このために連続フラッシュ抑制と呼ばれる錯視を用いて、視覚刺激が見える状況と見えない状況を作り出し、その視覚刺激によって生じる初期視覚野の活動をfMRIを用いて測定した。具体的には、被験者の利き目に高コントラストでダイナミックに変化し続けるフラッシュ刺激を呈示し、非利き目に視野内をゆっくりと回転移動するターゲット刺激を呈示した。このとき、視覚刺激は常に呈示されているにもかかわらず、被験者のターゲット刺激に対する視覚意識はあるときは抑制され主観的には見えなくなったり、またあるときは抑制されずに見えたりを繰り返した。初期視覚野は明確なレチノトピー性を持つため、視覚皮質上のある領域がレチノトピックに表象している視野位置にターゲット刺激が入ると、その皮質領域に活動が生じる。本研究ではこのレチノトピックな活動をfMRIを用いて測定した。実験には13名の被験者が参加した。連続フラッシュ抑制による視覚意識の抑制の持続時間には大きな個人差が見られた。平均抑制時間は、最長の被験者では323秒、最短の被験者では5秒だった。当初の目的とは異なるが、本研究ではこの抑制時間の個人差に注目した解析を行った。平均抑制時間と、抑制された(見えない)刺激によって生じた初期視覚野のfMRI応答振幅の相関解析を行ったところ、見えない刺激に対する応答が弱い被験者ほど抑制時間が長く続くことを発見した。この相関関係は、第1次視覚野を除く、第2次、第3次、第4次視覚野で有意だった。この結果を国際学会にて発表し、論文としてまとめ国際誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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