2010 Fiscal Year Annual Research Report
自動車運転・船舶操船技能に経験が及ぼす影響について
Project/Area Number |
22830049
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中井 宏 神戸大学, 海事科学研究科, 研究機関研究員 (90583526)
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Keywords | 自動車運転技能 / 船舶操船技能 / 経験 / 自己評価 / リスクテイキング / 事故 / 安全教育 |
Research Abstract |
今年度の研究では、自動車運転技能を中心に扱い、教習所の協力の下、20代から70代のドライバーを対象に実走行実験を行った。近年、高齢ドライバーの事故が増加していることから、車載したドライブレコーダーのデータや同乗した指導員による評価結果について、若中年層と比較した。その結果、速度や合図、一時停止などほぼ全ての項目について、経験が長いはずの高齢ドライバーほど不安全な運転を行っていることが明らかとなった。また特に、安全確認において、世代間の差が顕著に表れた。また、自身の運転ぶりを適切に客観視するための技能(自己評価スキル)についても、高齢ドライバーの自己評価は同乗指導員による客観評価と大きく乖離することが示された。これらは、高齢者の交通事故の要因の一つと考えられる。 また、民間バス会社と協力し、過去3年分の事故記録をデータベース化した。近年の交通事故死者数が大きく減少しているものの、営業用車両における死亡者減少率は自家用車のそれと比べて低い。この原因として、規制緩和による路線拡張に伴って経験が浅い運転士が多く採用されてきた点が考えられるため、次年度はこのデータベースについてリスク分析を行い、経験等の属性が事故惹起に及ぼす影響を検討する。 また船舶操船者の技能については、内航船船舶の船員を対象に、上記の陸上交通に関する研究で用いた研究手法を活用し、ストレスをコントロールする技能に関するヒアリング調査を実施する準備を行った。次年度は、これらについて船員経験の長短を要因とした定量的な分析を行う。
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Research Products
(7 results)