2011 Fiscal Year Annual Research Report
自動車運転・船舶操船技能に経験が及ぼす影響について
Project/Area Number |
22830049
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中井 宏 神戸大学, 海事科学研究科, 研究機関研究員 (90583526)
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Keywords | 自動車運転技能 / 船舶操船技能 / 経験 / 自己評価 / 安全教育 / ストレス |
Research Abstract |
自動車運転技能については、107名の一般男性ドライバーを対象に行った実走行課題の結果を年代の観点から分析した。教習所指導員による評価を従属変数としたところ、経験が長いはずの高齢ドライバーほど不安全な運転を行っていることが明らかとなった。さらに、年代差を詳細に検討したところ、40歳代から既に運転技能の低下傾向が示唆され、近年増加の一途を辿る高齢ドライバーの交通事故防止には、より早期に対策を行う必要性が明らかと鳴った。 また民間バス会社から得た過去3年分の事故記録を分析したところ、経験年数が5年以内の乗務員が惹起した事故が全体の約60%を占めており、その中でも特に3年以内の乗務員が約40%であることから、経験の短い乗務員に対する対策が重要であることが示された。また、経験年数別に事故形態や事故時の状況を検討したところ、経験が短い乗務員ほど自損事故や後退時接触が多いこと、ロータリーでの事故が多いことが明らかとなった一方、経験が20年以上の乗務員では雨天日の夜間に事故が多いことから、視機能の低下について考慮する必要性が示された。 また船舶操船者の技能については、国内大型カーフェリーの船長および航海士20名を対象に、高負荷状況での感情コントロール技能に関するヒアリング調査を実施し、操船中や荷役中に怒りや焦りなどのネガティブストレス反応を生じさせるストレッサー、およびストレス状態で生起しやすい不安全行動をリスト化した。これらをもとに、自身の感情傾向を自己理解のための教材と、ストレッサーに対する効果的なコーピング例を示したデータベースを作成し、タブレットPCを用いて簡便に教育できるようにした。
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Research Products
(7 results)